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オーソモレキュラー療法 標準化に向けての元年

[2024.09.17]

2024年9月15日 16日

オーソモレキュラー国際シンポジウムが開かれ、出席してきました。

 

9月15日は、

本間良子先生、溝口徹先生という、日本のオーソモレキュラー医学の重鎮のお二人による、

子供の治療に関する発表演題が2題あり、私が座長を務めさせて頂きました。

 

本間良子先生の発表は、

溶連菌などの感染症の後に、感染症が治癒した後に発症する子供の精神症状に関する発表でした。

感染症が治癒したと言われた後に、拒食症、急に言葉の発達が遅れる、図が書けなくなる、朝起きれなくなる、学校に行けなくなる等々、これまで発達障害とか、知的障害とか、不登校として扱われてきら諸問題の中に、感染症の影響がある可能性を示唆するものです。

 

みゆきクリニックでは、子供さんが来院すると、かなりしつこく感染症の既往を聞きます。

お母さんは、質問の意味が分からず、うんざりした顔をしたり、
実際には感染しているのに、感染症にかかったことはないと、適当に答えたりします。

 

でも、どんな感染症にかかったか、何歳の頃にかかったか、確認することはとても大事です。

 

その場合にするべき治療は、カウンセリングでも何でもなく、感染症の検査と、それが陽性なら除菌と腸管の保護なのです。

 

数か月前に受診されたある子供さんを思い出します。

小学校低学年のそのお子さんは、溶連菌に感染し、溶連菌は治癒したのですが、その後、

急激に拒食症を発症し、何も食べなくなってしまいました。

 

ご両親はとても心を痛め、某大学病院の児童精神科の予約を取りました。

しかし、その予約が1か月先だったので、とりあえずのツナギとして、みゆきクリニックに来られたのでした。

 

私が溶連菌感染との関連性を疑い、そのことを説明し、腸の保護、検査をして必要があれば除菌の必要性をご説明したのですが、
ご両親は、

溶連菌は治ったと言われている

自分たちは大学病院の予約をしている

開業医ごときが何を言うか

という態度で、聞く耳を持ってくれませんでした。

 

残念なことに、感染症後の拒食症についての知見がある大学病院は、まだ余りありません。

あの子は、どうしているだろう・・・適切な治療を受けているだろうか・・・

時々、思い出しては気になります。

 

溝口徹先生は

子供の脳機能の改善に有用なDHAに関するご研究でした。

発達障害の治療に薬は不要、というお考えは私の治療方針と合致するもので、大いに勇気づけられました。

 

みゆきクリニックでも、たくさんの子供たちを診療しています。

言葉の発達が遅れていた、多動で癇癪持ちだった子供たちが、見違えるほど良くなっていく姿を見るのは、
医師として、本当に嬉しいことです。

 

オーソモレキュラー療法は健康保険が使えない、理論がかなり複雑で医師が習得するのにかなりの勉強が必要等、
どこの医療機関でも受けられる治療ではありませんが、確実にその凄さを理解し、治療に応用する医師が増えて来ています。

 

非常に安全性が高く、治療効果も高い、という事実に医師たちが気づき始めています。

 

オーソモレキュラー療法を日本の標準治療にしよう、というスローガンのもと、

これまで別々に活動していたグループが、手を携えて、一緒に活動していこうではないか、

医師への教育システムの充実、

エビデンスを集積する為の研究部門の充実を図ろう、

と決意を新たに、会は終了しました。

 

1984年、金子雅敏氏が、日本にオーソモレキュラー療法を導入してから今年で40年、

2024年は、歴史的な意味のある年となるでしょう。

 

感動的なシンポジウムでした。

 

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