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信頼関係 

[2020.05.03]

コロナ騒動で、何か患者さん達との距離が縮まった感じがします。

いつも通院してきて下さっている患者さんが来ないと、

どうしているのかな、と気になったり

 

患者さんが元気な顔を見せてくれると、つい嬉しくて

「あーよく来てくれたねー」と言ったりします。

 

通常、医師は、よく来てくれた、と思っても、それを言葉にすることはありません。

医師の態度には「中立性」というものが大切で、

「いらっしゃいませー」「ようこそ!」 的な態度は取らないのです。

(もし、そういう医師がいたら、むしろ問題です)

だから患者さんによっては、冷たいと感じることがあるかも知れません。

 

でも、このような事態にあっては、普段とは事情が異なります。

本当に無事でいることを、お互いに喜びあう、

そういうことがとても自然な態度になりますね。

中立性は大事ですが、自然な態度まで否定するものでありません。

 

患者さんが元気な顔を見せてくれると、本当に嬉しい。

微熱があるから来院出来ない、と電話がくると、コロナでないことを本気で祈ります。

 

来院してくれた患者さんが、私と話をして

「ほっとしましたあ、先生と話せて良かった」

「ここが診療していてくれて、助かります」

と言って下さると、普段より、数倍、お役に立てているのかな、と感じます。

 

みゆきクリニックに通っている患者さん達は

思いの外、皆さん、落ち着いていらっしゃいます。

 

世間では「コロナ鬱」とかいろいろ言われていますが

みゆきクリニックに関しては、余り悪化する人がいないのは、

医師として本当に有り難いし、

普段からの信頼関係がどれだけ大切かを改めて思います。

 

信頼関係って、時間をかけて作り上げるものですよね。

 

例えば、京都では

なじみの客と、一見さんでは、扱いが全然違います。

 

一方東京では、

なじみの客も一見さんも、表向きは区別しないことを良しとするような印象があります。

 

こんなことがありました。

ある時、外国からのVIPのお客様を京都に案内することになり

京都の料亭に予約の相談をしました。

 

数年前から、親しくしていた料理人さんの店です。

その店は、予約を1ヶ月前から受け付けるシステムですが、

私が電話をしたのは半年くらい前です。

 

「そんな、たいそうなお客はん、連れて来られたら、緊張しますわあ」

とか言いながらも、快く、予約を受けて下さいました。

 

また、別のある時、別のVIPのお客様を東京の料理屋にご案内することになり、

予約の相談をしました。こちらはもう20年も通っている店です。

ここも、1ヶ月前から予約を受け付けるシステムです。

 

私が名乗ると、丁重に対応してくれましたが、

予約を受け付けるのは1ヶ月前からなので、1ヶ月前に電話をかけ直してほしいと

丁重に言われました。

 

これはどちらも正解です。

言うならば文化の違いでしょうか。

 

どちらが好みかは別として

100回会った人と、今日初めて会った人を、同一に扱うのがフェアである

とするのは、果たして現実的でしょうか。

 

京都スタイルは確かに厭らしい側面もあるけど、現実的です。

 

みゆきクリニックでは

2011年の震災の時も、患者さんが減ることはありませんでしたが

今回も、新患の患者さんは確かに減っていなすが、

従来から通ってきて下さっている患者さんは、

変わりなく、通院して下さっています。

感染予防に気をつけながら、患者さんも私をねぎらって下さいます。

 

患者さん達に信頼して頂いていること、

危機の時こそ、普段から時間をかけて築いてきた信頼関係の大切さを

改めて、実感しています。

 

 

 

 

 

 

 

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