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発達障害は何故増えたのか

[2012.01.12]

発達障害で苦しむ方が増えていますが、なぜ急に増えてきたのか、考えてみたいと思います。


心の病は、時代や文化の影響を受けます。
病があっても、社会や文化に適応していれば、それは病としてではなく

才能や個性として尊重されることすらあります。


統合失調症という病が「発見」されたのは18世紀、産業革命以降のことですが

それ以前にも統合失調症の方はいらしたはずなのですが、余り問題とならなかったのは

今より社会に溶け込んでいられたからなのでしょう。



近年、発達障害の人が増えて来ていることにも

時代背景が大きく関わっていると私は考えています。



現代はミスが許されない社会、完璧であることを当然の様に求められる風潮があります。

ネットで品物を注文すれば、ほぼ間違いなく注文した商品が届けられ、

これを私たちは当然の様に受け止めていますが、どの様な業種であれ、

商品の発送がほぼ完ぺきに行われる社会は、恐らく日本だけでしょう。


ビルやデパートの中で、清掃の方が作業している場合でも、

お客さんが通る時には、清掃係の人は一旦作業の手を休めて

お客さんを通してくれますが、清掃の方がこの様な配慮をしてくれる国は、

私が知る限り日本だけです。

(海外でチップを目的としてトイレ掃除をしている人は別ですが)


日本の製造業の多くは、欠陥商品の発生率がほぼゼロに近いと聞きますが、

そこで働く人には極めて正確な作業が求められており、その為に様々な工夫が

なされていると聞きます。これは世界に誇れる日本の文化と言ってよいのでしょう。



しかしながら、他者に対する配慮や、限定された作業の中とはいえ完璧さを求め

られてしまうと、発達障害の人には適応することがとても難しくなってしまいます。



他者への配慮や正確さを苦手とする人は昔から沢山いたはずなのですが、

曖昧さやいい加減さが許容される文化の中ではそれが問題とならなかったものが

完璧さが求められる社会になって、彼等は適応しにくくなってしまったのでしょう。


名前はあげませんが、私の知人で高名な研究者や医者の中にも、

ADHDと診断出来る人は何人かいます。

彼等は幸いなことに、曖昧さや限定された作業の中での完璧さを求められない

立場にいるので、問題にならずに社会に適応しています。

(反面、彼らは自分の専門領域では見事に完璧なまでに才能を開花させています。)


これからの日本は、長期的には必ずや脱原発に向っていくものと思いたいですが、

そうすることにより私たちが引き受けなければならない不利益は

発達障害の方を社会が如何に許容出来るかという問題と、

質的にはつながっているように思えるのです。



完璧さを求めない、他者の失敗に対して寛容であること・・・

曖昧であることや、時に程良くいい加減であることを自分にも他者にも

許容していけること・・・



日本人は本来、曖昧さに対して寛容な文化を持っていたのですから、

少しだけ時計の針を昔に戻して・・・


互いに適度に未完成な曖昧さを共有する道は、ないものでしょうか・・・。


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