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過剰診断

[2017.12.14]

12月10 日 日曜日 お医者さん向けのセミナーで講演をしました。

 

いろいろお話したのですが、

今の精神科は、すぐにうつ病 発達障害と診断するけど、どうして・・・?

と多くの精神科以外の医師は疑問に思っている方が多いので、

どうしてそんなことになってしまったのか・・・ということにも触れました。

 

昔の精神科は診断基準がなかったので、医師によって診断名が違うという混乱がしばしば起こりました。

某精神科有名教授は、かつて、

自分は関東では統合失調症医気質 中部地区では非定型精神病気質 関西では双極性感情障害気質

と診断される、とジョークを飛ばしていたほどです。

 

これではいけないと、1980年代に世界基準の診断基準が出来ました。

それ以来、何度も改訂を重ねています。

改訂を重ねるたびに、より良くなっている・・・と思いたいところですが、残念ながらそうではないのです。

改訂のたびに製薬メーカーの思惑が色濃く反映され、何しろ製薬メーカーは政治力も資金力たっぷりありますから強いのです。

今では、診断基準で診断すると、世の全ての人に何らかの精神疾患の名前がついてしまうほどです。

 

精神科では、診断基準が出来てから、診断基準に従って診断していれば良いという風潮が出来てしまい

診断基準からはずれてはいけない、考える人が増えました。

 

規則(診断基準)を守ることが前提になると、人は思考停止します。

想像力や創造力が生まれる余地がなくなるのです。

規則(診断基準)は守らなければなりませんが、それだけでは真実は見えてきません。

(規則規則とうるさい人って、融通きかなくて、面白くないですよね、失礼)

 

診断基準だけに従って診断していると、過剰診断を招きます。

すぐに鬱病 発達障害と診断するのは、診断基準から見れば間違いではないのですが

物事をある一側面から見ているに過ぎません。

 

症状の羅列だけで診断したら、誰でも何らかの問題を抱えているので、皆病気になってしまいます。

診断基準(横断的診断)と同時に、

その人の人生の背景や発症時の状況を創造力をもって聞いていく(縦断的診断)ことが大切です。

 

独断に陥らずに、「創造力を持って話を聞く」ことが出来るようになるには、専門的な訓練が必要です。

お金も時間もかかるし、たくさん勉強しなければならないし、根気のいる修行です。

最大の問題はこの修行をしても経済的なメリットがないことでしょう。

だから多くの精神科医はこのような修行をしないのが実情です。

 

AIが発達したら、横断的診断に関しては人間よりAIの方が優れているでしょうから

人間の医師は、縦断的思考も(これはたぶん当分の間AIには無理でしょう)身につけないと

AIに仕事を奪われてしまうんじゃないかなあ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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