忘れられない患者さんと言えば、もう一人、当時40代後半だったC子さんがいます。
彼女は重症の躁鬱病で、精神病院に入院してきましたが、
余りに症状が激しいので、やむを得ず、保護室へ入れることにしました。
保護室と言うのは、非常に精神症状が重くて、一般病棟に置いておくのが危険な場合
症状が治まるまで一時的に入って頂く個室のことです。
自傷の危険があるので、四角い、布団がひと組あるだけの、何もない部屋です。
ある日、C子さんの様子を見に保護室を訪れた私は、そこで信じられないことに遭遇しました。
確かに保護室にいるはずのC子さんが、いないのです!
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