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うつ病

うつ病は本当に増えたのでしょうか?

WHOは、21世紀に最も注意を要する疾患として、うつ病を挙げています。

しかし、教科書に記載してあるような定型的なうつ病
(メランコリー親和型と言います。薬が良く効きます。)は増えていません。

定型的なタイプのうつ病は薬で治療できます。

しかし、定型的なメランコリー親和型のうつ病は、むしろ減っています。
私はここ数年、メランコリー親和型のうつ病患者さんに、お会いしていません。

うつ病も、教科書の記載が現状に追いついていないのです。

定型タイプではないうつ病(薬が効かないタイプ)に、
定型タイプの対応をしたり、薬を処方するだけでは、治療はうまくいきません。

日本中の心療内科の待合室が患者さんであふれ、長年改善しないままのウツの患者さんが増えているのは、
定型タイプではない、薬の効かないうつ病の患者さんに、
教科書通りの対応しかしていないからではないのかと、みゆきクリニックでは考えています。

【目次】

  1. 定型タイプのうつ病の治療(メランコリー親和型のウツ)
  2. 薬の効かないうつ病
  3. 薬の効かないウツ・その1 新型うつ病
  4. 薬の効かないウツ・その2 非定型うつ病

定型タイプのうつ病の治療(メランコリー親和型のウツ)

薬が効くタイプです。
頑張り過ぎて、疲れ果ててしまうタイプで、生真面目で責任感の強い、昭和の企業戦士の男性に多くみられました。


定型的なうつ病は、坑うつ薬「SSRI」「SNRI」等で改善出来る場合があります。
薬を飲み始めて1~2ヶ月すると、症状が改善してきます。


症状が良くなると誰しも薬を飲むのを辞めたくなるものですが、自分の判断で薬の服用を辞めてしまうと、
数か月以内に症状が再発し、悪化してしまいます。

うつ病は非常に再発しやすい性質がありますので、薬を飲み続けることで再発を予防していくことがとても大切です。
自己判断で薬の服用を辞めてしまわない様、気を付けて下さい。

薬の効かないうつ病 

1990年代から薬の効かないタイプのウツ、新型うつ病・非定型うつ病が増えてきました。
薬の効かないウツには、大きく分けて、栄養障害タイプと、パーソナリテイ障害タイプの、二つのタイプがあります。

薬の効かないタイプのウツの患者さんに、改善がみられないまま、薬を出し続けると、症状を悪化させることすらあり、注意が必要です。

何年も改善しないウツの患者さんは、薬物治療を見直してみましょう。

みゆきクリニックでは、薬の効かないタイプのウツは、カウンセリングと、オーソモレキュラー療法(栄養療法)で治療しています。

薬の効かないウツ・その1 新型うつ病 (栄養障害タイプ)

生活習慣からくる栄養障害タイプ

生活習慣からくるウツです。このタイプの人は、甘いものや炭水化物を好む傾向にあり、
無気力感、意欲の低下、集中が続かず、記憶力が低下し、疲れやすく、だるさが続き、
長く睡眠をとっても疲れが取れない、朝起きにくい、昼間眠い、等を特徴とします。
炭水化物や砂糖の取り過ぎで、ビタミンB不足に陥っているのです。

一人暮らしか、家族と同居している場合でも殆ど家で食事をしない。
朝はなかなか起きられず、ギリギリの時間になってどうにか起きる。
朝食は食べないことが多い、食べるとしてもパンやおにぎり。
昼食はパスタやラーメン、おにぎり、カップ麺、良くてコンビニ弁当。
夕食もコンビニのおにぎりやカップ麺、菓子パン等で簡単に済ませてしまう。
あるいは夜遅くまで残業して、疲れて何も食べずに寝てしまう・・・。

無気力状態でウツが続く人の中に、食事と言えば炭水化物しか食べていない、
肉や魚や野菜は食べたとしてもごく少量、という人がいます。

炭水化物や菓子類、甘い飲料水の取り過ぎで、栄養素は不足しているのに、カロリーオーバーという、矛盾した状態に陥っています。
20歳代にして既にメタボ体質になってしまっている人も少なくありません。
仮に痩せていたとしても、筋肉量が少なく、内臓脂肪や体脂肪率は高い、つまり痩せているにも関わらずメタボなのです。

このタイプのウツは、食事の改善が必須です。

反応性低血糖による悪循環

糖は哺乳類にとって重要なエネルギー源ですので、身体は常に血糖値を一定のレベルに保つ様に出来ています。
身体の中で糖を合成し、少ない糖質でも十分代謝が廻るように出来ています。

人が砂糖を日常的に摂取するようになったのはここ数十年のことですので、ヒトの身体は砂糖の取り過ぎには慣れていません。
甘いお菓子や白米、パン、うどん、パスタ等の精製した炭水化物の摂り過ぎは、急激に血糖値を上げますので、
大量の糖を処理しようとインスリンというホルモンが分泌され、今度は逆に低血糖を引き起こします。

これを反応性低血糖といいます。

食べた砂糖をちょうどよく分解する、インスリンが程良く出るのではなく、
インスリンが過剰に出過ぎてしまい、低血糖を引き起こします。

低血糖になると、今度は即座に脳にアラーム信号が送られ、
脳からは再び血糖値を上げるよう指令が出て、
再び甘いものや炭水化物を食べたくなり、
高血糖→低血糖→高血糖→低血糖・・・ という悪循環を繰り返します。
低血糖発作を起こすと、むさぼるように甘い物が食べたくなり、過食になる人もいます。

新型うつ病と言われる患者さんたちが甘いものや炭水化物を好んで食べるのは、
この反応性低血糖を繰り返しているものと考えられます。

この状態を長く繰り返すと、やがてインスリンが枯渇してしまい、糖尿病につながります。
Ⅱ型糖尿病が急増している背景には、日本人の食事習慣の劣化、新型うつ病が関係しています。

砂糖を日常的に取り過ぎることは、身体にとっては、とても危険なことなのです。
治療は、まず、食事の仕方や内容を工夫することから始めます。

きちんと食事をしている場合でも栄養障害型の鬱になることがあります

人がどの程度の栄養素を必要とするかは、非常に個人差の大きいことが分かってきています。
他の人よりたくさんの栄養素を必要とする体質の人は、どれだけ適切な食事をしていても、
栄養素の不足からくるトラブルが起こる可能性があります。
他の人より多く栄養素を必要とする体質の人は、賢い人に多いという印象があります。

 

栄養不良から憂ウツになっているのに、抗うつ薬を飲むと、薬の代謝にビタミンB群を消費してしまいますので、
ますます栄養素の不足が悪化してしまい、だるさや無気力が悪化することがあります。

なかなか症状の改善しない患者さんをみると、更に薬を増やしてしまいがちな医師もいますが、
この場合、薬の増量はかえって無気力やだるさを悪化させます。
何年もウツが改善しない方は、食事の内容を見直してみましょう。

みゆきクリニックでは、食事の改善と、適度な運動、オーソモレキュラー療法(栄養療法)で治療しています。
きちんと治療を行えば、数ヶ月で改善出来ます。

若い貴重な時期を、無気力状態で過ごし、学校に行けない、会社に行けない、能力を伸ばせずにいるのは
患者さん個人やその家族は勿論のこと、会社にとっても、日本の将来にとっても、大きな損失ではないでしょうか。
しっかり改善して、人生を取り戻しましょう。

薬の効かないウツ・その2 非定型うつ病

パーソナリテイ障害タイプ

パーソナリテイ障害の改善に有効な薬は、ありません。
みゆきクリニックでは、カウンセリングとオーソモレキュラー療法を併用して治療しています。

パーソナリテイ障害の方は、周囲から期待した反応が得られないと、怒りや抑うつで反応し、キレやすく、
欲求不満に耐えるのが苦手で、無気力や不安、憂ウツに陥りやすく、人間関係を悪化させやすい問題を抱えています。
パーソナリテイ障害の方は、これらの性質を治療する必要があります。

パーソナリテイの治療には、精神分析的な精神療法・カウンセリングを行います。


カウンセリングと言うと、日本では認知行動療法が一般的ですが、残念ながら、認知行動療法では、
パーソナリテイ障害の改善には、あまり効果を期待できません。

パーソナリテイ障害タイプの方の感情や怒りを落ち着かせ、人間関係を安定的に築けるようになるには、
認知行動療法より上位の、精神分析的なカウンセリングが必要です。

また、パーソナリテイ障害の方は、攻撃性や怒りで治療を破壊することがありますので、みゆきクリニックでは、
攻撃性やイライラに対し、オーソモレキュラー療法を行います。

みゆきクリニックでは、パーソナリテイ障害タイプの方には、オーソモレキュラー療法と精神分析的なカウンセリングを並行して行うことで治療しています。


パーソナリティ障害と摂食障害の方の治療は、カウンセリングや栄養療法が必要になりますので、
これらは健康保険診療では行えません。予めご了承下さい。

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