パーソナリテイ障害
【目次】
パーソナリテイ障害の方を治療出来る技術を持った医療機関は、とても少ないです。
医療機関を受診しても、「ウチでは対応できない」と、治療を断られることも多いでしょう。
あるいは、無気力や抑鬱感を訴えて、うつ病と間違えられて、複数の薬を処方され、
長いこと改善が得られないまま、通院を続けている方も多いと思います。
みゆきクリニックでは、パーソナリテイ障害の方には、原則としてお薬は使いません。
パーソナリティ障害に効く薬がないことと、過量服薬の危険がある為です。
みゆきクリニックでは、パーソナリテイ障害の方の治療は
カウンセリングとオーソモレキュラー療法を併用することで治療しています。
パーソナリティ障害の治療は、健康保険診療では対応しておりません。
自己愛型・パーソナリテイ障害
自己愛に病理を抱えるパーソナリテイ障害です。
多かれ少なかれ殆どの人がこの自己愛の問題と無縁ではないと言えますが、
自己愛型・パーソナリテイ障害をひとつの疾患単位として論じることは難しく、幾つかのタイプに分けられます。
自信過剰で常に周囲の注目を集めようとするタイプの自己愛型・パーソナリテイ障害
自分は優れている、特別扱いを受けて当然だと思っており、周囲に対して自分がどのような圧力を与えているかには無関心ですが、
自分が少しでも傷つけられたと感じると攻撃的になり、しばしばクレーマーとなります。
業績が伴えば政治家、企業経営者、芸術家、芸能人等として成功しますが、
そうではないと、傲慢な態度や要求がましさ、他人を従者や道具の様に扱う態度に周囲は辟易とさせられます。
このタイプの自己愛型・パーソナリテイ障害の方はアメリカ人に多かったのですが、最近は日本人にも増えてきています。
こういうことを書くと、「ウチの子供は常に周囲の注目を集めたがるから心配だ」という方がいますが、
子供の正常に発達しつつある自己愛的な行動は、可愛らしくて人の心を惹きつけるものであり、
乳幼児期に周囲の注目を集めることは、心の発達においてもとても大切なものです。
大人の自己愛型・パーソナリテイ障害の方の要求がましさとは、本質的に異なるものです。
非常に過敏で繊細なタイプの自己愛型・パーソナリテイ障害
とても繊細なタイプの自己愛で、他人の反応に常に敏感で、誰かが自分を批判していないかを過剰に気にしており、
傷つきやすく繊細で、些細なことでも侮辱されたと感じるタイプです。
非常に内気なために、目立つことを避け、傷つきやすい状況を避けようとします。
日本人には昔からこのタイプの自己愛の方は多かったと思われます。
日本の歴史上もっとも古い記載は、古事記における天照大神の天の岩戸のくだりでしょうか。
現代のひきこもりの若者の多くも、この病理を持っているものと思われます。
境界性・パーソナリテイ障害
このタイプの方の問題の中心は、憂鬱感よりも、「衝動のコントロールの悪さ」にあります。
欲求不満に耐えることが苦手で、思い通りにいかない現実と折り合いをつけることができず、
容易に怒りで反応するために、キレやすく、攻撃的になりやすい傾向にあります。
シゾイド型・パーソナリテイ障害
周囲の出来事や人間関係に無関心で、周囲から孤立しており冷淡な印象を与える人です。
人を信頼することができず、人づきあいも苦手で、楽しみが少なく、人間関係は極めて限定的です。
人とのかかわりを避け引きこもりがちですが、しかしこれは恐怖感が強いために防衛的にそうしているのであり、
心の奥深いところでは人との関わりを切望しており、外見と精神内界とに大きな隔たりがあるのが特徴です。
外見と心の中が大きく異なりますが、ここを見誤ると治療はうまくいきません。
パーソナリテイ障害に共通してみられる症状
パーソナリテイ障害の方は不安、憂鬱に陥りやすい傾向にあり、うつ病や不安障害を併発することが多く、
難治性の鬱病、非定型鬱病などと混同されてしまいがちです。
パーソナリテイ障害の方は、どのタイプの方も、慢性的な退屈感や空虚感を抱えており、
「憂鬱だ」「落ち込んでいる」とうつ病と同じような症状の訴え方をしますが、
これはうつ病の抑うつ感や悲哀感といったものとは、本質的に異なります。
パーソナリテイ障害の治療
一般外来診療での短い診察時間では、パーゾナリテイ障害の方の治療はできません。
みゆきクリニックのパーソナリテイ障害の方の治療は、応急処置として薬を使うこともありますが、
オーソモレキュラー療法とカウンセリングの併用で治療しています。
オーソモレキュラー療法とは、医療用サプリメントを使った治療で、無気力や抑うつ、イライラ、衝動性の改善をはかります。
詳しくはオーソモレキュラー療法のページをご参照下さい。
そして、精神分析的カウンセリングで、パーソナリテイの問題を修正していきます。
パーソナリテイ障害の方は、攻撃性が強く、治療に対しても破壊的になることが多く、
この破壊性・衝動性を和らげてからでないと、治療そのものが成立しません。
まず、オーソモレキュラー療法を受けて頂いて、衝動性を改善してから、カウンセリングに入ります。
オーソモレキュラー療法により、衝動性、破壊性、イライラの改善が期待出来ます。
そして、カウンセリングで、じっくり自分の内面と向き合っていきます。
サプリメントによるオーソモレキュラー療法
みゆきクリニックでは、パーソナリテイ障害の方のイライラ、空虚感、衝動的になりやすい傾向等の改善に
オーソモレキュラー療法によるサプリメント治療を行っています。
アミノ酸やビタミン・ミネラルをサプリメントで補充し、
神経伝達物質、特にセロトニンやドーパミン、ノルアドレナリンの体内での合成を促進することで、衝動性・攻撃性の改善を図ります。
人は栄養素が不足すると、死にたくなることすらあるのです。
栄養素を補充することで、衝動性や、消えたくなる気持ちが軽くなることを目指します。
信じられないかも知れませんが、栄養素の補充で、死にたくなったり、衝動的になることが
改善出来る可能性があります。
精神分析的カウンセリング
パーソナリテイ障害の治療の中心となるのは、精神分析的・精神力動的なカウンセリングです。
日本では、大学病院を始め、ほとんどの医療機関で行うカウンセリングは認知行動療法ですが、
残念ながら、認知行動療法は、パーソナリテイ障害の治療には余り役に立ちません。
日本の医学部には、精神分析的・精神力動的な精神医学の知識や経験を持つ医師がいない、教えられる人がいません。
そのため、大学病院でも、パーソナリテイ障害の治療には、対応出来ないことが多いのです。
認知行動療法は、比較的短期間で技術を習得できます。治療の理論もシンプルです。
精神分析的・精神力動的な精神医学は、理論が複雑で、知識や経験を積むのに、長い長い修行期間が必要です。
医師やカウンセラーが、精神分析的・精神力動的な理論を学ぼうとすると、勉強に要する費用は全て私費で、
費用は数百万円~数千万円かかります。
高い費用を自ら支払い、長い時間をかけて技術を取得しようとする医師が減ってしまって、
残念なことに、今では医学部からは消えてしまいました。
みゆきクリニックは、精神分析的なカウンセリングも行っています。
パーソナリテイ障害の薬物治療は効果に乏しい
パーソナリテイ障害の改善に効果のある、健康保険でお出し出来る薬はありません。
パーソナリテイ障害の方は、薬が効きにくいというだけではなく、
自傷行為を認めることがあり、薬を大量服薬してしまうリスクがあり、薬物治療はお勧め出来ません。
一般的に、憂うつに対して抗うつ薬を、衝動コントロールを改善させるために抗てんかん薬や非定型抗精神病薬を、
数種類組み合わせて処方されることが一般的です。
しかも効果が乏しい割に多剤併用になる危険があります。
みゆきクリニックではパーソナリテイ障害方に、薬物治療はお勧めしません。
治療の進め方
まずは、初診時に「ゆったり予約外来」を受診して下さい。
お薬は、応急処置的に抗不安薬や睡眠導入剤を処方することがありますが、パーソナリテイ障害の方は、
過量服薬の危険性もあり、原則として、薬は処方しません。
パーソナリテイ障害の方の症状の改善は、オーソモレキュラー療法に基づく、医療用サプリメントを使います。
それと並行して、カウンセリング・精神分析的精神療法を進めていきます。
オーソモレキュラー療法と精神分析的精神療法を同時に行うことで、パーソナリテイの問題は充分に改善が可能だと考えています。
費用はかかりますが、あなたの人生を取り戻す投資としてお考え頂いては如何でしょうか。
最近は経営者や企業の重要な役職についていらっしゃる方の中に、パーソナリテイ障害の方が増えてきています。
能力のあるパーソナリテイ障害の方は、業績を上げて若くして昇進したり、起業して社会的に成功することも珍しく無いのですが、
しかしその態度や振る舞いがひどく周囲を傷つけていることも少なくありません。
パーソナリテイ障害の問題を改善し、本当の意味でのリーダーシップを発揮し、
若手の育成と言う日本の将来を見据えた意味のある仕事につなげていくことは、リーダーとして大切なことです。
日本が成熟社会に向かう為には、上に立つ人ほど、パーソナリテイ障害の問題を乗り越えて頂きたいと思います。