新型うつ病
新型うつ病・現代型うつ病
従来のうつ病とは症状の異なる「新型鬱病・現代型うつ病」が増えています。
以前は若い人に多かったのですが、最近は、中高年、お年寄りにも増えてきています。
炭水化物を好む傾向にあり、
薬が効きにくい
なかなか良くならない
長期で会社を休んだり、学校を休んだりして、大きな問題になっています。
うつ病と間違えられて薬の治療を受けている方が多いのですが、
炭水化物(たくさんの米や小麦粉) や菓子の食べ過ぎによる栄養不良ですので、
薬は効きにくいのです。
炭水化物や菓子などの糖質の処理には、ビタミンBを消費しますので、
新型うつ病は、うつ病ではなく、ビタミンB群の不足からくる栄養障害です。
うつ病と混同して薬で治療しようとするから、改善しないのです。
みゆきクリニックにも、うつ症状を訴える若い患者さんが沢山いらっしゃいますが、
みゆきクリニックでは
栄養指導と、サプリメントを使った至適量栄養素補充療法・オーソモレキュラー療法で、
非常に高い治療効果をあげています。
サプリメントは実費になりますが、学校を辞める、あるいは会社を辞めてしまう前に、試みてはいかがでしょう。
若い人に多い新型うつ病・現代型うつ病の特徴
甘いものや炭水化物を好む傾向にあり、
無気力、集中が続かず、
記憶力が低下し、
疲れやすく、だるさが続き、
長く睡眠をとっても疲れが取れない、
朝起きにくい、
昼間眠い、ボーとしている、等を特徴とします。
新型うつ病・現代型うつ病の問題
新型うつ病が増えていると言い始めたのは、日本の一部の精神医学者ですが、
欧米では誰もそのようなことを言っていないし、注目すらしていません。
それどころか新型うつ病という病気の存在そのものに対して否定的です。
みゆきクリニックでも、
新型うつ病といううつ病は存在しない、と考えており、
新型うつ病と診断される若い人たちの無気力状態の本質は、栄養障害によるものが多い、
と考えています。
うつ病と栄養障害による神経症状は、表面に現れる症状はとても良く似ています。
栄養障害から無気力状態に陥っている人がいくら抗うつ薬を服用しも、
一向に改善しないのは、このためです。
一向に良くならないので、
中には、薬が効いていないと勘違いして薬を増やしてしまう医師もいますが、これでは間違った方向に進んでしまいます。
新型うつ病・現代型うつ病と栄養障害
憂鬱や無気力を訴える患者さんたちに共通してみられる幾つかの傾向があります。
一人暮らしか、家族と同居している場合でも殆ど家で食事をしない。
朝はなかなか起きられず、ギリギリの時間になってどうにか起きる。
朝食は食べないことが多く、食べるとしてもパンやおにぎりだけ。
昼食はパスタやラーメン、おにぎり、カップ麺、菓子パンなどで簡単に済ませる。
夕食はコンビニのおにぎりやコンビニ弁当かファーストフードが多い。
あるいは夜遅くまで残業して、疲れて何も食べずに寝てしまうことも多い。
無気力状態に陥っている人の中には、
食事と言えば炭水化物しか食べていない、
甘い飲料水や菓子類を好み、
肉や魚や野菜は食べたとしてもごく少量、
という人が非常に多いことに気が付きます。
無気力状態にある患者さんたちの多くは、不適切な食習慣のせいで
摂取するべき必要な栄養素は不足しているにも関わらず、
炭水化物や菓子類、甘い飲料水の取り過ぎでカロリーオーバーとなり、
栄養障害であるにも関わらず体重が増えていく、と言う矛盾した状態に陥っています。
10歳代にして既にメタボ体質になってしまっている人も少なくありません。
仮に痩せていたとしても、筋肉量が少なく、内臓脂肪・体脂肪率は高い、つまり痩せているにも関わらずメタボなのです。
新型うつ病の方は過食症にもなりやすい
新型うつ病の特徴のひとつにパンや米を大量の食べる過食傾向があります。
高血糖と低血糖を繰り返す為に過食になっている、ということが考えられます。
低血糖による悪循環
糖は哺乳類にとって重要なエネルギー源ですので、身体は血糖値を一定のレベルに保つ様に出来ています。
甘いお菓子や、煎餅、白米、パン、うどん、パスタ等の糖や炭水化物の摂り過ぎは、
急激に血糖値を上げますので、身体は血糖値を最適な値に下げようとしてインスリンが分泌されますが、
この時多すぎる糖を下げる為にインスリンが過剰に分泌されてしまい、今度は逆に一時的な低血糖を引き起こします。
血糖値が下がり過ぎて低血糖になると、低血糖は身体にとって一大事ですので、
糖を上げようとして即座に脳に信号が送られ、血糖値を上げる為に再び甘いものや炭水化物を食べたくなる、
という悪循環を引き起こしてしまうと考えられます。
新型うつ病と言われる患者さんたちが甘いものや炭水化物を好んで食べるのは、
糖分の取り過ぎによる高血糖と低血糖を繰り返している、と考えることが出来ます。
人は体内で糖質を合成し、仮に飢餓状態の様な事態であっても少ない糖質で代謝が廻るようにできていますが、
逆にいえば人の身体は過剰な糖質の摂取には慣れていないのです。
人が砂糖や白米を日常的に摂取するようになったのは近年のことですので、
人の進化の過程で、人の身体は今の様な大量の糖質を摂取するような事態を想定していなかったのです。
ビタミンの不足による神経症状
炭水化物や菓子しか食べていないと栄養状態が悪いだけではなく、
糖代謝にはビタミンB群が消費されますので、ますますビタミン不足に拍車がかかります。
ビタミンB群が不足すると様々な神経症状が現れてきます。
ビタミンB群の不足による代表的な疾患は脚気やペラグラですが、
現代では脚気やペラグラはなくなったと思われていましたが、
新型うつ病は現代型の脚気であると言い換えることが出来るかも知れません。
新型うつ病と言われる患者さんたちが、
だるい
無気力
何時間寝ても疲れがとれない
昼間もボーとしている
記憶力が低下していて、簡単なことも覚えられない
ケアレスミスが多く、いつも怒られている、
と言う状態にあるのは、栄養障害、特にビタミン不足が考えられます。
小さな子どもさんですと知能の発育にも影響しますので、知能低下を引き起こす原因にもなります。
しかし、きちんと食事をしていても新型うつ病は起こります
人がどの程度のビタミンを必要とするかは、非常に個人差の大きいことが分かってきています。
生まれつきビタミンを多く必要とする体質の人は、どれだけ適切な食事をしていても、
ビタミン不足から来る栄養障害、すなわち新型うつ病と言われる無気力状態に陥る可能性があります。
血液検査による栄養素の評価
栄養障害にあっても、多くの方は、血液検査を行った際に殆どの項目で正常値を示します。
人が充分に食事を取れるようになったのは近年のことで、人類は長年飢餓に苦しんできました。
人の身体には栄養状態が悪くても何とかバランスを保とうとする機能が備わっていて、
人の身体はある程度の飢餓に耐えられるように出来ています。
これはとても素晴らしいことなのですが、
反面、栄養障害は余程の病気でない限り、なかなか血液検査の数値に現れてきません。
血液データによる栄養障害の解釈には、オーソモレキュラー的な知識が必要です。
飢餓に耐えられるのだから食べなくても良い、ということではありません。
飢餓に耐えられたとしても、飢餓状態は無気力状態を招きますので、決して健康で生産的な状態とは言えません。
豊富な食材が手に入るという人類史上、稀な幸運な時代に生きているのですから、
その恩恵を生かして、心身共に健康な生涯を送る工夫をするべきでしょう。
薬による治療だけでは改善しにくい新型うつ病
栄養障害による新型うつ病で問題なのは、栄養障害と診断出来ないまま、うつ病と思って治療をしていると、
薬を処方してもなかなか症状が改善しないので、更に薬を増やしてしいがちで、
そうすると薬の代謝にビタミンB群を消費しますので、益々栄養障害が悪化して
だるさや無気力が増悪してしまうことがある
場合によっては長期の休職を余儀なくされるかも知れない
という悪循環に陥ってしまうことです。
薬を飲んでも何故新型うつ病は良くならないのか、ここまで読んで下さった方はもうお分かりですね。
新型うつ病は充分に改善できます
人生の貴重な時期を、無気力状態で過ごし
必要のない投薬治療を受け
必要のない休学や休職をし、その人らしさを発揮できずにいたら、
患者さん個人やその家族は勿論のこと、会社にとっても、日本の将来にとっても、
大きな損失ではないでしょうか。
長引く精神疾患のために会社を辞める人が増えています。
朝起きられないので、学校を辞めてしまう人もいます。
働けないので、やむを得ず障害年金を申請しすることも多いのですが、
彼らの多くは、栄養障害を改善すれば、働くことができるかも知れない人たちです。
彼らを障害年金や生活保護の福祉の対象とするのではなく、
生産性をあげ、社会人として働き、税金を納め、普通の一市民として生活できるようにサポートすることが、
本来あるべき医療ではないかと私は考えています。
それを可能にするのが、オーソモレキュラー療法・至適量栄養素補充療法なのです。
新型うつ病の治療
ビタミン類・ミネラル・蛋白質・脂肪酸等の摂取不足から起こっている
栄養障害タイプの新型うつ病の治療の基本は、食事の改善です。
しかし食事療法だけでは充分ではなく、血液検査で栄養状態を調べ、
不足している栄養素を補う為のサプリメントを積極的に服用する必要があります。
食事療法だけでは不十分なのは、何故でしょう?
毎日新鮮な有機野菜を500g以上食べ、汚染の少ない海域で取れたイワシやサバ、
鮭などを1㎏以上、よく運動した鴨や羊の肉を1㎏以上、納豆7パック、
油は上質のオリーブオイルかエゴマ油しか使わない、
しかもこれだけ食べてトータルカロリーを抑える、
調理法は生か蒸し料理を中心に、揚げ物は食べない、と言うことが本当に出来るなら、食事療法だけで十分です。
しかしそんなことの可能な人が果たしてどれだけいるでしょう?
大変な資産家で、専属の農場を持っていて、お抱えの管理栄養士と料理人がいて、
ご自身も時間とお金が有り余るほどある・・・という様な人でもない限り、不可能です。
でもこの場合でも、カロリーオーバーしない、という条件をクリアするのは難しそうですね。
サプリメントを選ぶのはとても難しい
薬局やネットでサプリメントを買って飲んでみたけど、効かなかった、というご意見をよく伺います。
サプリメントを飲んでいる人と、飲んでいない人を比べてみて、
サプリメントを飲んでいる人の方が調子が悪かった、というデータもあります。
ネットで買ったサプリメントを長く飲んでいて、健康被害を起こしている方もいます。
ネットやドラッグストアで売っているサプリメントでは、
内容量が少なく、品質も不明で、栄養素の不足からくるトラブルを改善するには、あまり効果がありません。
困っているトラブルを改善させるためには、生化学的な判断が必要ですので、血液検査や便の検査等の医学的判断が必要です。
必要に応じて薬を服用
感情の波が大きい場合には一時的に薬を使用します。
薬はSSRI、SNRIと呼ばれる抗うつ薬を服用しますが、少量で充分です。
治療開始から早い人で1週間、遅い人でも2か月位すると、昼間の眠気や過眠傾向、
だるさや疲れやすさ、集中力の低下、行動の異常、イライラ、無気力等の症状は改善してくるでしょう。
栄養障害とうつ病が併発した場合の症状と治療
一方、長時間労働とうつ病の発症の間には関係がありそうです。
栄養障害に陥るまで睡眠時間や食事を犠牲にして長時間働いている人は、本当にうつ病を発症してしまうことが少なくありません。
うつ病になると、食欲が低下し、栄養障害を併発しやすい状態ですので、うつ病に栄養障害が加わると、鬱病の症状が非常に悪く見えることがあります。
その場合には、うつ病の治療と栄養障害の治療を同時に行います。
うつ病の治療は、薬の服用、休養、入院、精神療法、復職リハビリ等々、病状の程度によって幾つかの治療法を組み合わせていきます。