どうやって病名をつけるのでしょう 12
[2024.10.01]
同じ過食症でも、中高生の思春期の過食症と、30歳過ぎて発症する過食症とでは、
発生の機序も原因も、全く異なります。当然、治療アプローチも異なります。
中高生の、思春期心性に基づく過食症・摂食障害は、
的確に治療を行っていかないと、生涯にわたって問題が続く場合もあり、
精神分析的精神療法が適応となります。
大人になって発症してくる耐糖能の異常による過食症の治療には、
自己努力だけで改善することは難しく、
食事の改善と、サプリメントによる栄養補充療法により
インスリン抵抗性の改善を図る必要があります。
右手に精神分析的・力動論を 左手に分子整合医学を・・・。
両方の視点を持たないと、上記のことは理解できません。
しかしながら、ここが難しいところなのですが、最近は思春期が遷延化していて、
中年期になっても思春期心性の問題を抱えている人が増えています。
30歳過ぎて、思春期心性の問題と、耐糖能異常とが
両方同時に起こっている方も珍しくなくなってきました。
この場合には、精神分析的精神療法と、食事指導、栄養素補充療法を
並行して行う必要があります。
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