精神科医の役割
3ご家族を亡くされた方々に心からお悔やみを申し上げます。
また被災して不自由な生活を送っている方々、
ご家族、親しい方の行方が分からない皆様に、心からお見舞い申し上げます。
精神科医は、怪我や身体疾患を治療する技術を持たないので
災害直後にはあまりできることはないのですが、
数日から数か月たって、緊急を要する時期を過ぎてから
精神科医の役割が必要となってきます。
被災されて避難生活を送っている方
大変につらい不自由な生活を強いられていらっしゃることでしょう。
救援に当たる方々も、目の前の大勢の被災した人を前にして
無力感にさいなまれながら、つらい思いをされていることと思います。
被災した方々はもちろん多くがPTSDとなることが予想されます。
救援に当たった医療スタッフや自衛隊の方々が、深刻なうつ状態に陥ることも考えられます。
緊急事態にあっては、誰の救助・治療を優先するか、深刻な選択に迫られます。
それは誰が悪いのでもないのだけれど、救援や治療を後回しにされた方の家族からは
大変な恨みを向けられることもあり、深く傷つきながらも、それを言えずにいることもあります。
被災された方々、救援にあたった方々、医療スタッフ
災害に関わるすべての方に、心のケアが必要と思われます。
そして子供さんたち・・・・
子供は適応力が高いので、大人以上に見事に不幸を乗り越え、
表面的には問題がないように見えることもありますが、
心の奥深いところで深く深く傷つき、それが人格形成に大きな影響を及ぼすこともあります。
子供さんたちへの心のケアをどうしていくか、非常に大切な問題でしょう。
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