発達障害と栄養問題(食事からは取り切れない栄養素の不足)
発達障害の子供が増えています。
彼らの多くは、普通の学校での普通の教育には馴染めず、特別な支援を必要とされています。
発達障害の子供たちの特性に合わせた、特別な支援を提供することは、大切なことです。
発達障害か?栄養素の不足か?
一方、私は精神科医として、何人もの子供たちを診ています。
発達障害と診断されている子供たちの中に、鉄や亜鉛等のミネラルや、コレステロール等の低い子供が少なくないことに、注目しています。
発達障害と診断された子供たちに、ビタミンやミネラル、オメガ3系脂肪酸等をサプリメントで飲ませてあげると、
別人の様に落ち着いて、教室に座っていられるようになり、成績も伸びてくる子供たちがいます。
彼らは発達障害なのではなく、栄養素が不足していたのです。
これには心底、驚きました。
発達障害と思われていた子供たちが、栄養素で改善する、という事実に直面し、精神科医として、
精神医学の概念を見直さなければならない程の衝撃を受けました。
現在、日本の児童精神科では、発達障害の子どもに、薬物治療が行われています。
しかし、実際には、薬物治療が有効な子どもよりも、栄養素を補充することで改善する子どもの方が、多いのではないか、と考えています。
実際、みゆきクリニックでは、子供に薬は処方していませんが、
みゆきクリニックを受診した子ども達の多くが、栄養素の補充で、多動や癇癪が改善しています。
感染症後に発症する子供のトラブル
また近年、何らかの感染症に感染した後、感染症が治癒した後でも、
言葉の発達が遅れる チックになる 朝起きれなくなる 学校に行けなくなる 文字や図形が書けなくなる
拒食症になって何も食べなくなる 強迫症状 行動障害 etc etc… 様々な問題が起こってくる報告されています。
これらは、通常の血液検査で調べても、原因を特定することが困難です。
何にでもオドオドして怖がりの性格が、生まれつきの性格ではなく、感染症による影響であることも示唆されています。
急激に起こってくる子供のトラブルは、感染症によるものであることも念頭においておかねばなりません。
2017年 育児と子どもの発達を考える会を設立
食事の内容に問題があるせいで行動障害を起こしている子供たちをたくさん診ているうちに、
みゆきクリニックを訪れた子供たちだけではなく、
日本中に、栄養素が不足していることが原因で、発達障害と間違われている子供たちがたくさんいるのではないか?
いや、いるはずではないのか?
彼らの中には、栄養素を補充してやれば、他の子ども達と同じように、
勉強したり、お友達と遊んだりできるようになる子が、いるはずではないのか?
栄養素が不足している為に、発達障害と間違えられている子供たちを一人でも減らしたい。
障害に苦しむ子供を一人でも減らし、日本の将来に役に立つ人になってもらいたい。
彼らを障害者として福祉の対象にするのではなく、タックスペイヤーにするべき(エイブラム・ホッッファー)ではないのか?
しかし、サプリメントを自分の子供に買ってやりたくても、経済的事情等で買えない親もいる・・・
無料で子供たちにサプリメントを届けてあげることは出来ないだろうか・・・?
そんなことを考えている一方で、親に連れられてみゆきクリニックを訪れた子どもたちの中に、
子どもにサプリメントを買ってやらない親が多いことに、驚かされました。
ある栄養素が不足しているので、これを補うことで改善が得られるかも知れない、と説明すると、
子ども自身は、この不調が治る方法があるなんて知らなかった、是非サプリメントを飲みたい、と顔を輝かせて希望するのですが、
経済的に余裕のある家庭であっても、
(みゆきクリニックを受診される方々は、場所柄もあってか、経済的に困窮している方はむしろ少数です)
親が費用を出すことに難色を示し、
子供に健康保険の使えない治療を勧めるなど、儲け主義のとんでもない医者だと、医師を罵倒し、
サプリメントを子どもに買ってやらない親が多いのです。
実際には、サプリメント治療は、一人一人に時間がかかり、儲からない仕組みです。
更にみゆきクリニックでは、普通の方々が、少し頑張れば支払えるくらいの費用になるよう、
どこよりも安くサプリメントを提供するよう、費用を抑える為に、様々な工夫をしています。
むしろ、薬を出して、たくさんの患者さんを診て、数をこなす、いわゆる標準的な治療の方が、よほど儲かります。
5分診療で対症療法として薬を出すだけの治療なら、日本中、どこでも受けられます。
みゆきクリニックは、どこでも受けられる治療ではなく、みゆきクリニックならではの、
みゆきクリニックでなければ受けられない治療を提供したいと思っています。
親が買ってやらなければ、子どもはサプリメントを飲むことが出来ません。
決して経済的に困っている家庭でなくても、むしろ経済的には余裕のある家庭でも、
子どもにサプリメントを買ってやらない親が多いという現実に直面し、
子どもたちはきっと、心の中で、「親は自分の為にお金を使ってくれないんだ」
と、見捨てられた様な気持ちになるかも知れない、子どもたちの、絶望感、悲しみはどれほどか、
と思うと、心が痛みました。
親の経済状況に関わらず、子どもたちにサプリメントを無償で提供することの必要性を痛感し、
一般社団法人育児と子どもの発達を考える会 を設立しました。
2023年 育児と子どもの発達を考える会は、資金難の為、休会しました。
2024年 育児と子どもの発達を考える会 再開への道のり
「育児と子供の発達を考える会」は
子供たちに無償でサプリメントを提供することを目的として2017年に、みゆきクリニック院長の塙が設立しました。
しかし、無償提供に必要な寄付はほとんど集まらず、
みゆきクリニック院長の塙のポケットマネーや、関連会社の(株)ミューコミュニケーションズが資金を提供し、
サプリメントの無償提供を続けておりましたが、
寄付が全く集まらないままの資金難の状態が続いており、2023年、休会となりました。
実は2022年末、休会のきっかけとなるような出来事がありました。
日本中の子供たちに、食事の改善の重要性を理解してもらおうと、広くお伝えするには、
映像を使って知って頂く必要性を痛感し、2022年末、映像制作の為のクラウドファンディングを行いました。
映像でお伝えすることで、みゆきクリニックに来られない、全国の子供たちに、必要な情報を届けたい、と思ったのです。
クラウドファンディングへの寄付のお願いのチラシを作成して
まずは、育児と子供の発達を考える会から毎月無償提供を行っていた患者さんたちに、チラシをお渡ししました。
毎月1万円相当以上のサプリを長年にわたって無償で差し上げてきた方々です。
食育の重要性や、栄養素のチカラを身を持って体感し、理解してくれているはずの方々です。
クラウドファンディングの趣旨に理解を示して頂けるだろうと、と甘い期待を持っておりました。
真っ先に、チラシをお配りしました。
しかし
チラシを受け取ってすら頂けない方が多かっただけではなく
誰からも、何の共感も、反応も、得られませんでした。
そして、
育児と子供の発達を考える会から毎月無償提供を行っていた患者さんたからの、
クラウドファンディングへの寄付は、一人もありませんでした。
皆無です。ゼロ、1円もありませんでした。
(クラウドファンディング以外の、他の機会に1000円、3000円と寄付して下さった方は少数ですが、何名か、いらっしゃいました。
お名前はあげませんが、改めてお礼を申し上げます。)
何年もの間、食事の重要性を説明し、栄養素の働きをお伝えし、
毎月、1万円相当以上のサプリメントを無償で提供してきた方々。
みゆきクリニックに通院されている方々は、経済的に困窮している方はむしろ少数です。
にも関わらず、クラウドファンディングには全く関心を持って頂けませんでした。
誰よりもその重要性を身を持って経験しているはずの方々に、
全国にいるであろう、見知らぬ、苦しんでいる親子、見知らぬ誰かに
食事改善の重要性を伝えていこうと言う働きかけに、誰一人として共感して頂けなかった。
映像制作の重要性を共有して頂けなかった。
という事実に直面し、非常にショックを受け、無償提供の意味を感じられなくなってしまったのです。
無償提供がなくなった途端、通院を辞められた方も、たくさんいらっしゃいました。
彼らの多くは経済的に困窮していた訳ではないので、なぜ通院を辞めたのかは分かりませんが
無料でないなら通院しない、ということだとするなら、
問題を抱えた子供さんは、その後、どうなっているのだろうと、とても心配になります。
休会してからも
経済的に困窮している方には、密かに無償提供を続けていました。
同時に、子供さんには、採算度外視の低価格での提供も続けていました。
しかし、昨今の物価の高騰、給料が増えないと言う現状、子供の貧困率の増加
という時代背景を鑑みると、再び、無償提供の意味を見直する必要があるかも知れない、
という考えるようになりました。
育児と子供の発達を考える会の、再開を検討しています。
ただし、以前のように、無条件に無償提供するということはできません。
詳細は、これから検討していきます。
全国の必要な情報に触れられないだけで苦しんでいる親子の為に、協力したいと思われる方、ご賛同いただける方がいらっしゃいましたら、ぜひ、ご連絡下さい。
よくあるご質問
子供の治療はどのように行うのですか
治療の第一歩は、食事の改善です。
砂糖と小麦粉を減らすことから始めます。
砂糖、液糖、甘い物全て、菓子類、料理に使う砂糖・・・
砂糖はどのような形でも、食べないようにしましょう。
小麦粉も減らしましょう。
パン パスタ ラーメン うどん ピザ・・・
子どもの好きな食べ物には、小麦粉がいっぱいです。
家族全員で協力して、家族全員で、親も一緒に、食事を見直していきましょう。
砂糖と小麦粉を減らすだけで、行動障害の改善する子もいます。
赤ちゃんのいる人は、小麦粉と砂糖を避ける食事習慣を、離乳食から始めて下さい。
更に
マーガリン(=ショートニング)や、アスパルテームのような人口甘味料は
砂糖より有害です。
成分を確認し、食べないようにして下さい。
普通に食べているはずなのに、どうして栄養素の不足と判断するのですか?
同じものを食べていても、健康に発育する子供もいれば、栄養不良になってしまう子供もいます。
健康な状態を維持するのに必要な栄養素の量は、非常に個人差が大きいと言われています。
例えば、ナイアシン(ビタミンB3)は通常は1日10mg位摂取すれば十分と思われていますが、
人によっては、1日にナイアシンを5000mg(実に500倍!)位必要とする人がいます。
この個人差の大きさが、栄養素の問題を分かりにくくしています。
鉄剤なら健康保険の薬があるのに、どうしてわざわざサプリメントを使うのですか?
健康保険で扱っている鉄は無機鉄です。
無機鉄は体内でフェントン反応を起こし、フリーラジカルを発生させます。
フリーラジカルは細胞を酸化させ、細胞を傷つけるリスクがあります。
その為、無機鉄は長期間服用することが出来ません。
栄養素が不足している為に様々な問題を起こしている子供たちには、
長期間にわたって鉄剤を服用して頂く必要があります。
長期間安心して服用するためには、タンパク質にくるまれた鉄剤・ヘム鉄をお勧めします。
ヘム鉄は健康保険では扱っていませんので、サプリメントの扱いになります。
市販のサプリメントの中には、「ヘム鉄」という名前で売られているけれども、
ヘム鉄の含有量が極めて少量で、大半は無機鉄である、という場合があります。
100%ヘム鉄は価格も高く、扱っているメーカーも少ないのが現状です。
キレート鉄に要注意!!
キレート鉄 という効率よくフェリチンを増やすサプリメントがあり、ネットで売られています。
キレート鉄を推奨している医師もいます。
でも、その危険性をきちんと理解していますか?
腸管はゴッドハンド(神の手)とも言われ、
体内に入れても良いもの、悪いものを、厳しくチェックしています。
キレート鉄は、この腸管の判断を騙して、鉄をどんどん吸収させるように作られているので、
鉄過剰を招いてしまいます。
鉄は排泄経路を持たないので、過剰に吸収された鉄は組織に沈着してしまい、非常に危険です。
キレート鉄を飲まれた方は、フェリチンが異常高値を示してしまうことが多く、
かといって、鉄を排出することも難しく、
その後の治療を非常に困難なものにしてしまいます。
医師が勧めているから、本に書いてあったから、ブログに書いてあったから、ネットで見たから
と言って盲信しないように、充分に注意して下さい。
他にも、市販品やネットでサプリメントを購入して飲んでいる方の中に、
肝障害を起こしている人がいます。
自分で購入する場合には、よく品質を確認してください。
自分で判断出来ない場合には、オーソモレキュラー療法を実施している医師にご相談下さい。
サプリメントは発達障害だけに有効なのですか? 知的障害の子供にも効くのですか?
生まれつき特に問題がないのにも関わらず、知能が低い子供も増えています。
発育期に、体内の貯蔵鉄やミネラルの量が足りないと、知能の発育が遅れることがあります。
先天的な問題がない場合には、早い段階で鉄等を補えば、知能の発育を取り戻せる可能性があります。
治療の開始が早ければ、改善する可能性は高くなりますが、
鉄の補給の開始年齢が遅れると、回復が難しくなります。
可能な限り早めにご相談下さい。
発達障害や知的障害は栄養素の不足に原因があるの?
すべての発達障害や知的障害の原因が、鉄や亜鉛等のミネラルの不足や、コレステロール等、
栄養素の低いことに原因があるというわけではありません。
しかし、ここでは、成長を続けている子供にとって、鉄や亜鉛等のミネラルやコレステロールの不足は、
生涯に渡って深刻な問題を残すことがあるということを強調しておきたいと思います。
食事に気を付ける、サプリメントを飲む、
という簡単な方法で解決できる場合があることを知っておいて頂くことは、とても意味のあることです。