どうやって病名をつけるのでしょう 8
[2010.11.02]
精神分析では、診断名を付けることを必ずしも重視しませんので
「診断基準」というものも持ちませんが、「病態水準」というものを重視します。
精神病的な状態にあるのか、比較的健康な状態に近いのか、
高度な精神機能を維持しているのか、あるいは失っているのか、
「自我機能」はどうか、つまり人格の構造の様なものや人格の傾向を評価します。
それによって治療アプローチも変更します。
例えば、「摂食障害」を例に取ってみましょう。
精神分析では、「摂食障害」を、ある独立した疾患として捕らえるのではなく、
人格の病理から派生する症状の表現形、というとらえ方をします。
摂食障害と言っても、精神病水準の比較的重い病理を背景に持つ摂食障害から、
精神病理としては比較的健康度の高いタイプの摂食障害まで、
幅広い病態水準に認められます。
これを一概に摂食障害として同じ水準で扱うことは無理があると考えます。
精神分析的な治療では、病態水準によって、治療アプローチを変えますので、
テーラーメイドの治療と言うことも出来るでしょう。
だからこそ、他の精神療法に比べて治療効果が高いのです。
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