戦後75年 終戦の日を迎えて
天皇陛下の決断がなければ、日本は戦争を続けていたとも言われています。
多くの日本人は本土決戦に備えていた、と聞きます。
劣勢は明らかだったのに、何故、もっと早く敗戦をうけいれなかったのか?
戦後生まれの私たちの誰もが、そう考えます。
人間には、前に進むことばかりに注意が向いてしまう性質があります。
それが間違った道であっても、それまでに犠牲にし、投資した多くのものが、水泡に帰すことを受け入れられず、その道を進み続けてしまう傾向があります。
これは、誰でもそうです。
引くこと、撤退することは、本当に難しい。
遙か昔の祖先は、食べ物を求めて狩りに出て、食べ物が見つからないと、見つかるまで遠くまで進んだことでしょう。
アフリカで生まれた人類は、食べ物を求めて、地球全域にまで広がったのです。
他方、食べ物が見つからない、と諦めて途中で引き返す時の、無力感、絶望感は、はかり知れないものがあったことでしょう。
私たちは、引き返すこと、引き算が、うまくプログラムされていないのでしょう。
高等数学が得意な人も、人生の引き算は苦手だったりするでしょう。
肥大化した資本主義経済も、引き方が分からないまま巨大化してしまいました。
人類は、もう充分に進化し、発展したのですから、
これから先は、更に巨大化することより、
縮小すること、引くこと、これは地球環境を良くすることにもつながります。
同じ過ちを繰り返さない為にも、私たちは引くことをを学んでいく必要があるのではないでしょうか。
引くことは、進むことより難しいかも知れません。
進むことも大事だけれど、時には、勇気を持って負けることを覚えたい。