昭和なお父さん&平成の夫
昭和のお父さん
都内某所でランチをしていた時のこと
隣には80代とおぼしきご夫婦がゆったりとランチを楽しまれていました。
ご主人の方が先に食べ終わりました。
「ご馳走様、お会計して」
ご主人はさっさと席を立ち、まだ食事の終わっていない妻を残して、出て行きました。
妻 「まあ、私まだ食べているのに、なんて人でしょうね」
夫 「外で待ってるから」 出入り口の方からご主人が言います。
妻 「主人は昭和一桁生まれなんですよ、もうすぐ90歳、昔の男ですわねえ」
昭和一桁生まれの男性は、妻に対する配慮が足りない、と言う意味なのでしょうか?
そう言いながらも、奥様は幸せそうに、ゆったりと食事を続け、少なくとも不幸には見えませんでした。
ご主人の方は、もしかしたら、忙しいランチ時なので、
店の回転をよくするための配慮だったのかも知れませんね。
妻の都合を余り考慮しないところは、昭和の男性にはあるかも知れません。
何かと批判されることの多い昭和のお父さんですが、
では、今時の夫婦はどうなのでしょうか。
平成の夫
別のある時、都内某所で、遅い昼を取っていた時のこと
隣に30代とおぼしきカップルが座っていました。
夫はやたらと妻を見下し、非難しています。
「だからお前はダメなんだよ」
「お前はこういうところが出来てない、アレも出来てない、だからお前は無能だ」
「お前の言うことなんか、何の値打ちもない、黙ってろ」
隣のテーブルなので、嫌でも話しが聞こえてきてしまいます。
その奥さんの様子を拝見していて、夫の暴言をさりげなく受け流している様子を見て、決して無能な方とは思いませんでしたが、
無能と思っているその妻を選んだのは、他でもないご自分自身であることを忘れてない?
しかし次第に話の流れから、夫の方はお前は俺が付いていてやらないとダメなんだ、
だから俺に感謝しろ、俺を敬え、と言いたいのだな、ということが分かってきました。
でも、妻には夫がしつこく攻撃してくる、としか聞こえていないでしょう。
俺様に感謝しろ、と攻撃されても、妻の心は離れるばかりかも知れません。
心の中で離婚を考えているかも知れません。
先の昭和の夫婦のタイプを、平成の夫婦に置き換えてみたら、どうでしょう。
俺様タイプの夫は、食べるのが遅い妻に対して、
「いつまで食べてんだよ、俺を待たせる気か」
と、妻の分の支払いをせずに、先に帰ってしまうかも知れません。
モラハラ・パワハラ夫が増えている
最近は、子育て中で仕事をしていない妻や子供に対して、
妻の気持ちを顧みないなどというレベルを超えて、
理不尽な圧をかける男性が増えている気がします。
気にいらないと、俺様の言うことが聞けないのか、だったら金は渡さない、
生活費を渡さない、出て行け、離婚だと、脅す。
そういう夫が増えていて、妻や子供を経済的に追いつめ精神的に圧迫します。
意外にも高収入の男性にも多いのです。
そのような夫を持つ女性からの相談が、増えています。
彼女たちは夫の収入は安定していても、幸せではありません。
妻が夫を追い詰める、という逆のパターンもあります。
しかし、体力的に劣る妻から夫へのDVより、
夫からの妻子へのDVの方が、より深刻化しやすいのです。
夫婦となったのに、経済的・精神的に配偶者や子どもを追い詰めることで、
心の中では家族を大事に思っていても、相手を責め、家族を支配し、
言うことを聞かせようとするとでしか、気持ちを表現出来ないとしたら、家族は崩壊の危機に瀕してしまうでしょう。