E子さん 1
[2011.02.23]
E子さんも明治生まれの女性でした。
某流派の茶道の先生で、その流派では相当な地位にある方でしたが、
私が始めて診察をした時には既に、かなりアルツハイマーが進んでいました。
毎回、お嫁さんが一緒に診察について来て、日常の様子を話して下さいます。
診察室では、E子さん御本人とのお話は、まとまりを欠き、会話にならない状態でしたが、
お茶の先生は続けていらっしゃいました。
ある日、お嫁さんが思いつめた表情で、折り入って相談があると・・・
近くお家元主催のお茶会が予定されていて、それはその流派にとって非常に意味のあるもので、
E子さんはその席で大変重要な役割を果たす予定になっているのだけれども、
キャンセルした方が良いだろうか・・・?