大人の言い分 子供の気持ち
みゆきクリニックに通院している小学校1年生の女の子
頭が良くて、将来美人になることが間違いなさそうな、顔立ちの整ったとても可愛い子です。
ご両親も愛情を注いで育てていらっしゃいます。
これだけ条件がそろっていると、嫉みを買うとみえて、学校で苛められていました。
学校に行くことを恐がるようになったことをきっかけに、母親につれられ、みゆきクリニックを受診しました。
みゆきクリニックでのカウンセリングを通して、苛めっ子とは距離を置くようにし、
だいぶ落ち着いてきていました。
ある時、突然、学校恐怖が再燃したので、「?」 と思い聞いてみると・・・
いじめっ子から「あそぼう」と声をかけられたそうです。
(いじめっ子は何をしたいのか、時々気まぐれに誘ってきます)
彼女は、それを断りました。
それを見ていた担任の先生が、きつく彼女を?ったそうです。
「そういうことをしてはいけません。皆と仲良くしなさい。」
真面目な子ほど、大人の言うことを誠実に守ろうとします。
彼女は健気に、いじめっ子と遊ぼうとしました。
しかし、怖くて仕方がありません。
再び、学校が怖くなってきました。
お友達とは仲良く みんなと仲良く
それは確かにその通りなのですが、
しかし、状況によっては、それが出来ないことがたくさんあることを、大人なら誰でも知っています。
なのに何故か大人は、子供に対しては、
前後の状況も考えずに、建前ばかりを子供に押しつけようとします。
建前で割り切った方が、指導は簡単ですね。
しかし、その子にとって、いじめっ子の誘いを断ることは、大変な勇気のいる、ある種の達成だったのです。
建前ばかりで子供を判断すると、時に子供を傷つけることがあると、大人達は知っておく必要があります。
私はその子に、こう伝えました。
「どうしても嫌なことからは逃げて良い。嫌なことは嫌で良い。」
「とても残念なことだけど、大人が常に正しいとは限らない。」
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