大人の言い分 子供の気持ち
[2018.10.17]みゆきクリニックに通院している小学校1年生の女の子
頭が良くて、将来美人になることが間違いなさそうな、顔立ちの整ったとても可愛い子です。
ご両親も愛情を注いで育てていらっしゃいます。
これだけ条件がそろっていると、嫉みを買うとみえて、学校で苛められていました。
学校に行くことを恐がるようになったことをきっかけに、母親につれられ、みゆきクリニックを受診しました。
みゆきクリニックでのカウンセリングを通して、苛めっ子とは距離を置くようにし、
だいぶ落ち着いてきていました。
ある時、突然、学校恐怖が再燃したので、「?」 と思い聞いてみると・・・
いじめっ子から「あそぼう」と声をかけられたそうです。
(いじめっ子は何をしたいのか、時々気まぐれに誘ってきます)
彼女は、それを断りました。
それを見ていた担任の先生が、きつく彼女を?ったそうです。
「そういうことをしてはいけません。皆と仲良くしなさい。」
真面目な子ほど、大人の言うことを誠実に守ろうとします。
彼女は健気に、いじめっ子と遊ぼうとしました。
しかし、怖くて仕方がありません。
再び、学校が怖くなってきました。
お友達とは仲良く みんなと仲良く
それは確かにその通りなのですが、
しかし、状況によっては、それが出来ないことがたくさんあることを、大人なら誰でも知っています。
なのに何故か大人は、子供に対しては、
前後の状況も考えずに、建前ばかりを子供に押しつけようとします。
建前で割り切った方が、指導は簡単ですね。
しかし、その子にとって、いじめっ子の誘いを断ることは、大変な勇気のいる、ある種の達成だったのです。
建前ばかりで子供を判断すると、時に子供を傷つけることがあると、大人達は知っておく必要があります。
私はその子に、こう伝えました。
「どうしても嫌なことからは逃げて良い。嫌なことは嫌で良い。」
「とても残念なことだけど、大人が常に正しいとは限らない。」
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