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休職中の患者さんと精神科教授

[2024.11.05]

 

みゆきクリニックへ通院されていたある患者さん
Jさんは、子どものころから父親がとても厳しく、父との関係に悩んでいました。


大学進学を機に実家を離れ、父とは距離を置いていました。

そんなJさんが就職して異動になった先に、父親にそっくりの威圧的な上司がいました。


毎日上司に怒られているうちに、会社へ行こうとすると吐き気がして、憂うつになるようになり、
みゆきクリニックへ来られました。

Jさんのような方の問題解決には、どうしたら良いでしょうか?


職場を異動してもらって、苦手な上司と離れれば良いのでしょうか?
それも、とりあえずの解決法としては必要ですね。

しかし、威圧的な上司はどこにでもいます。
その度に異動していたのでは大変です。


本質的な解決は、カウンセリングで、心の中の父親との関係を、整理しなおすことです。

Jさんは休職していましたが、会社へ行かなければ、何の症状もなく、問題もなく、
ハッピーに過ごされていましたので、薬は必要ないと判断し、薬は出さずに、カウンセリング中心の治療を始めました。

休職中のJさんに、ある時、会社の産業医の面談がありました。


会社の産業医は、ある大学の精神科の教授です。
精神科教授は、こう言ったそうです。

「みゆきクリニックから、薬が出ていない?
会社を休んでいる患者に薬を出さないなんて、とんでもない医者だ。
そういう医者は信用できない、病院を変わりなさい。私の知り合いの診療所を紹介するから」

会社を休職している=薬の治療 と、その教授は短絡的に考えているようです。

Jさんのような人に薬が必要ではないことも、
この場合に薬はかえって有害であることも、少し考えれば分かることだと思うのですが、


休職中の人の治療=薬 
と硬直的に考えている医師は、残念ながら非常に多いのです。


しかしそれが医科大学の教授となると、そのような教授に指導を受ける若い医師や医学生は、
果たしてどうなるのでしょう・・・?

日本のメンタルヘルスの未来が心配です。





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