ショパンコンクール
今年のショパンコンクールで2位になった反田恭平さん、
過去の日本人のショパンコンクール最高位は、内田光子さんの2位でしたから、
内田光子さんに並ぶピアニストが現れたということになりますね。
反田恭平さんは、今回のショパンコンクールで、
「満足のいく、思い通りの演奏が出来た」と言っておられましたが、
私はこのようなことを言える音楽家を始めて知りました。
その言葉通り、ファイナルの英雄ポロネーズも、協奏曲1番も、
本当に素晴らしい演奏でしたね。
私も何人か音楽家の友人がいますが、彼らは全員、等しく、
「一度たりとも満足のいく演奏が出来たためしがない」
と言います。
かなり高名な方も含めて。
ショパンコンクールで2位というのは、
それだけ異次元のレベルだと言うことなのでしょう。
ショパンコンクールで1位になったピアニストには、
アリゲリッチやブーニンがいますが、彼らは異次元の更に異次元という人達なのでしょう。
更に、反田さん、何気なく、非凡さを感じさせる、凄いことを言っていました。
コンクールでは、これまでやってきた練習も何もかも全て忘れて、
会場の雰囲気に身を任せて演奏しようと思った、と。
気の遠くなるような練習も、音楽の背景にある文化や歴史や理論も、
何も考えない、思い出さないで、演奏するって、これはもう、禅、
悟りの境地のようなものですね。
ピアノを弾くことそのものが、修行のようなものなのでしょう。
若干27歳にして、悟りの境地で、
他の音楽家がなかなかなしえない、「満足のいく演奏」をした反田さん
今後の更に円熟していく演奏が楽しみです。