ADHD 精神分析的精神療法と分子整合医学 13
前回書いたBBC制作の番組の中で、双極性感情障害・ADHDと診断された子どもは
道路に飛び出して車に轢かれて死んでやると言って両親を脅したと言うことがきっかけで、
精神科での投薬治療が始まったようでした。
精神分析では、子どもは天使などではなく、大人の都合に合わせてくれる存在でもないと考えます。
人は生来、原始的な攻撃性や怒りや憎しみを内在していて、
怒りや攻撃性を受け止めてくれる適切な大人たちとの関係性の中で、
それらをより適応的なものへと形を変え、創造性や思いやりをはぐくみ、ヒトとなるのだと考えます。
悲しみや抑うつはその攻撃や怒りに対する償いであり、他の感情よりも高度なものと位置づけます。
子どもが攻撃性を示すことは、その子の運動性の発露でもあります。
それを異常だ、病的だと決めつけてしまっては、
子どもは安心して攻撃性を発揮できなくなるでしょう。
大人しくじっと座っていることが得意な大人しい子どももいれば
少しもじっとしていられない落ち着きのない子どももいます。
ADHDの子どもは確かに増えていますが、ADHDを単なる障害として扱うのではなく、
その子の行動の背景にある心の動きを知ろうとすることは、より重要でしょう。
理解されずに育った子供は、子どものうちから、きっととても孤独なのでしょう。
子どもたちの悲しむ声が、聞こえてくるようです。
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